ステロイド。いわゆる筋肉増強剤のことなんですけど、これを使うと筋肉がモリモリ発達するというとても魅力的な効果をもたらします。
しかし健康面への悪影響や副作用は恐ろしいものであり、下手すると命を落としかねないものです。なのでそれを考えると「使うのはやめておこう」となるのが一般的な感覚かと思います。
そして多くの場合競技スポーツにおいては使用を禁止されています。
なので使用が発覚した場合出場停止などの何らかの処分を受け、社会的制裁なども受けるのは必至と言えます。
で、そのような処分を受けた選手が自らの行為を反省して数年にわたりステロイドなどの薬物を使用せず、ナチュラルの選手と同じように生活し、再度薬物検査でシロと判断されて見事大会出場を認められた…
という場合の話なんですけど、これ、実はフェアではない可能性があります。今回はこのあたりの理由についてお話しします。
あと、動画でもこの件について語っています。
使用をやめてもその効果は10年続く
ステロイドを使用すると筋肉細胞の核の数が増えます。この核が多いほど筋肥大しやすくなります。
で、問題なのは使用をやめてもその核の数は多いままだということ。
つまり、使用をやめたとしても完全ナチュラルな時と比べると筋肥大しやすい状態が続いているということです。
そしてその効果は「10年くらい続くかも」という意見があります。
もちろん使用した期間や量によってその効果がどれだけ続くかには差はあるので短い場合もあれば長い場合もありますが、少なくともある一定期間はナチュラル時代よりも筋肥大に有利な状態であるのは間違いありません。
「昔使ってたけど今使ってない。ナチュラルだよ!」というのは通用しないよ、ということです。
競技復帰 完全ナチュラル選手と対等と言えるか?
このようにステロイドを使用するとたとえやめても筋肥大しやすい状態が一定期間維持されます。
なので再度検査してシロと判断されて試合出場が認められたとしても、これは果たしてフェアなのか対等と言えるのか?という問題が出てくるんですね。
他の完全ナチュラルな選手からしてみれば「ちょ、ふざけんなよ!」と言いたくなると思います。当然ですよね。
「自分はナチュラルの状態でトレーニングに励んだにもかかわらず、もう一方はステロイド使って簡単に有利な状態を作り出したくせに同じ土俵だなんてムシが良すぎる!」
というような気持ちになるのは十分理解できます。
ただ、過去の過ちを反省した選手に挽回のチャンスを与えてあげるのもこれはこれで大事なことだと思ったりもします。もちろん「二度目はないぞ」という条件付きで。
このあたりの問題はとても複雑かつデリケートなのですぐ解決できるものではないと思います。
完全ナチュラルな選手が損をするのは本来あってはならないことですが、一度過ちを犯した選手になんらかの形で挽回の機会を与える優しい世界であってほしいな。
というのが僕の気持ちです。
ステロイドユーザーと僕とでは住む世界が違う
ステロイドは筋肉を簡単に手に入れられるぶん、その反動として健康への被害がひどいですよね。
僕が体を鍛える理由は筋肉のかっこいい体になるというのもありますが、それだけでなく健康的で機能的な体を作り、それを将来にわたって維持し続けるというのがあるんですね。
5年10年良ければそれでいい…ではなく、ジジイになっても今みたいな感じで体を鍛え続けていたいなーと。
そんでもって見た目だけでなく内側から溢れ出る若々しさを保ちたいというのがあります。
ステロイドを使うというのは僕が理想としている世界とは全く違う世界に超特急で進む行為なので、僕としては使うのはありえないという感じです。
まぁ、使う人と僕とでは住む世界が違うので、異世界の人たちのことをどうこういうつもりは全くないです。はい。
「こういう人たちもいるんだなー。僕はこっちの世界進むよ。お互い頑張ろうね!」
という感じです。