懸垂(チンニング)のメリットとデメリットを知りたい方へ。
懸垂のメリットってなんだろう?
背中を鍛える筋トレだというのは知ってるけど、具体的に他の筋トレとは何が違うの?
あと、メリットだけでなくデメリットもできれば知りたいな。
と、考えていませんか?
本記事では、そんなあなたのために下記の内容を解説します。
・懸垂のメリット3選 ・懸垂のデメリット3選 ・【まとめ】背中と上腕二頭筋を鍛えたいなら懸垂一択
この記事を書いている僕は現在筋トレ歴15~16年ほどあります。
懸垂に関しては片手で懸垂ができるくらいにはやり込みました。

最近は背中の筋トレはほぼ懸垂しかしておらず、僕の背中の筋肉は懸垂でできたとっても過言ではありません。
こんな感じで懸垂をひたすらやってきました。
そんな僕が感じた懸垂のメリットとデメリットをこれから紹介します。
懸垂(チンニング)のメリット

懸垂には以下の3つのメリットがあります。
①腰を痛めにくい ②背中の幅を広げる効果が高い ③上腕二頭筋・前腕も鍛えられる
では、それぞれ詳しくみていきましょう。
と、その前にちょっと失礼。
懸垂のメリットとデメリットについては動画でも色々と語っています。
もしよろしければ今回の記事と合わせてご覧ください。
腰を痛めにくい
懸垂は他の背中の筋トレ種目に比べ腰を痛めにくいです。
なぜなら、懸垂はただ鉄棒にぶら下がっているだけなので、他の種目よりも直接腰に負荷がかかる要素が少ないからです。
懸垂で負荷が集中するのは手から肩周辺とわき付近の背中の筋肉です。
体を引き上げるときも腕と背中の筋肉に負荷が集中して腰はほとんど関与しません。
それに対しバーベルロウなどのウェイトを使った背中の種目は床に置いてあるウェイトを腰を曲げて引き上げます。
重い荷物を両手で抱えたまま前傾姿勢になり、そのままその姿勢をキープするのをイメージしてください。
かなり腰に負担がかかると思いませんか?
バーベルロウの姿勢はそれに近いです。
なので懸垂に比べ腰への負担が大きく、それが腰痛の原因になることもあります。
実際僕もそれで腰を痛めたことが何度かあります。
扱う重さやフォームを改善することで腰への負担を減らすことはできますが、それでも懸垂と比べると腰への負担はかなり大きいです。
もちろん懸垂もやり方によっては腰に負担がかかる可能性は十分あります。
無理な姿勢で行なったりすればケガに繋がることも普通にあるでしょう。
なので「懸垂だから腰痛にならない」なんて言えないです。
ただ、バーベルロウに比べ腰への負担はかなり軽い種目であることには変わりないです。
何より僕は懸垂を背中の筋トレの中心に切り替えてから腰痛なんて全く気にならなくなりました。
腰をケガすることなく背中を鍛えたいなら懸垂はマジでオススメです。
背中の幅を広げる効果が高い
懸垂は背中の幅を広げる効果が他の種目に比べ高いです。
幅とは文字どおり正面や後ろから見た時の背中の広がりのことで、逆三角形の上半身を印象付ける上で欠かせない要素の一つでもあります。
なぜ幅を広げる効果が高いのかというと、懸垂が肘を少し外側に向けたまま腕を上下に動かす動きをするからです。
このような動きをすると背中の筋肉である広背筋の外側部分と脇のすぐ下あたりにある大円筋という部分が鍛えられます。
その結果その部分の筋肉が成長して背中の幅が広がるというわけです。
実際、懸垂ばかりしている人は広くて頼れそうな背中をしていることが多いです。
もちろん懸垂以外にも背中の幅をつける筋トレ種目はあります。
例えばラットプルダウンのように懸垂に似たような動きをマシンを使って行う種目などがそうです。

ただ、そのような種目はジムのようにある程度設備が整っている場所でしか行えないことが多いです。
それに対し懸垂はぶら下がれる場所さえあればどこでもできるので、お手軽度でいえば圧倒的に懸垂の方が優れています。
僕のように自宅メインでなおかつ自分の体重のみで鍛えたい人にとっては懸垂以外選択肢はほぼないと言っていいでしょう。
あと、ラットプルダウンは懸垂に似てはいますが完全に懸垂と同じではありません。
具体的に言うと以下の違いがあります。
懸垂
・体をバーに向かって引き上げる
・握っている部分以外はほぼ自由に動かせる
・腕や背中の筋肉以外を動作に関与させにくい
ラットプルダウン
・ウェイトにつながったバーを体に向かって引き寄せる
・シートに座り下半身が浮かないようにがっちり固定する
・腰や腹筋を使うことができる
どちらが優れているとか劣っているとかの話ではなく、単純にこの2つは違う種目だということです。
ざっくり言うと懸垂は純粋に腕と背中の力だけを使うのに対し、ラットプルダウンは腰を後ろへ反らす動作を加えることでより重いウェイトを扱うことが可能です。
自分がどうなりたいかを考え、目標や目的に応じて選択しましょう。
上腕二頭筋と前腕も鍛えられる
懸垂を行うだけで腕の筋肉である上腕二頭筋や前腕の筋肉も鍛えられます。
なぜなら、体を引き上げるときに肘を曲げたりバーを握り続けるには上腕二頭筋と前腕を常にフル稼働させる必要があるからです。
なので特に意識しなくても懸垂だけやっておけば、背中の成長に合わせて上腕二頭筋と前腕は自然と太くなっていきます。
このように懸垂は上半身の「引く系」の筋肉をバランスよく鍛えることができるので、手っ取り早く全身を鍛えたい場合にとても役立ちます。
もちろん個別に上腕二頭筋と前腕を鍛えるのもアリです。
懸垂だけで鍛える場合よりもさらに成長を促すことが期待できます。
余裕がある場合は加えたほうがいいでしょう。
もし懸垂でより上腕二頭筋に負荷を集中させたいのであれば、逆手にして手幅を狭めた懸垂を行うのがオススメです。
自重だけで鍛える場合はこの逆手での懸垂が上腕二頭筋のメイン種目になります。
きつければ地面に足をついて斜め懸垂のように行ってもいいです。
握力を個別に鍛えたい場合はひたすらバーにぶら下がったり、タオルを引っ掛けてそれにぶら下がる方法があります。
詳しくは別の記事で紹介してますのでそちらをご覧ください。

懸垂(チンニング)のデメリット

懸垂のメリットを紹介しましたがもちろんデメリットもあります。
①ぶら下がれる環境が必要 ②負荷の調節が難しい ③背中の厚みをつけるのが難しい
この3つです。
ではこちらもそれぞれ解説します。
ぶら下がれる環境が必要
当然ですが懸垂を行うにはぶら下がれる環境が必要になります。
腕立て伏せや片足スクワットなど他の自重筋トレは道具なしにその場ですぐできます。
しかし、同じ自重筋トレでも懸垂に関しては最低限自分の体重を支えられる鉄棒のようなものが必要になります。
自宅にそのような環境があれば問題ないですが、そうでない場合はチンニングスタンドやドアジムを購入するか公園の鉄棒を利用するしかないです。
普段からジム通いしている人にとってはほとんど問題ないことだと思いますが、自宅での筋トレがメインの人にとってはここが一番の障害でしょう。
逆にここさえクリアしてしまえば自重筋トレの種目はほぼなんでも可能ということです。
なんとかクリア目指して頑張りましょう。
負荷の調節が難しい
これは自重筋トレ全般に言えることですが、懸垂は負荷を調節するのがウェイトに比べ難しいです。
ウェイトだと単純に重量を足したり引いたりするだけなのに対し、懸垂は自分の体重そのものが負荷なのでそれができません。
なので自重のみで負荷を調節するには以下のようにちょっとした工夫が必要になります。
負荷を軽くする場合
・足を脚立などの台に乗せて負荷を分散させる
・ジャンプしながら体を引き上げる
・誰かに体を支えてもらいながら懸垂する
負荷を重くする場合
・片腕で懸垂する
・片方の手の指だけをバーに引っ掛けて懸垂する
こんな感じです。
特に自重にこだわりがないのであれば、腰からウェイトをぶら下げて負荷を強めるという方法もあります。
ただ個人的にはあまりここは問題にならないと感じています。
なぜなら、負荷を軽くするにも重くするにもほとんど道具なしですし、慣れればすぐできます。
また、両手での懸垂が簡単にできたとしても、控えめに言って片手はその10倍以上にきつく感じるので負荷としては十分すぎます。むしろ強すぎなほど。
あくまで僕個人の感覚ですが、負荷の調節は工夫次第でどうにでもなるのでぶっちゃけそれで困ったことはないです。
背中の厚みをつけるのが難しい
メリットの部分で「背中の幅を広げる効果が高い」と言いましたが、これは逆にいうと「厚みをつけるのが難しい」ということになります。
背中の厚みとは主に背中の中央部辺りのことで、僧帽筋の中部などがそれに当たります。
僧帽筋中部を含めた背中の中央部を鍛えるには懸垂のような腕を上から下に引く動きではなく、前方に伸ばした腕を後方へ引く動きを行うロウイング系種目が有効になります。
自重でロウイング系種目を行いたいのであれば、斜め懸垂が有効な種目になります。
斜め懸垂は足を地面につき、体を斜めに倒しながら行う懸垂のことです。
この状態で懸垂をすると前方から腕を後方へ引く動きになり、僧帽筋中部など背中の中央部分に効果的な種目になります。
もちろん通常の懸垂だけでもある程度背中の筋肉を発達させることは可能です。
しかしこれだけだと時間がかかって効率悪いです。
背中全体を幅・厚み共に大きくしたいなら斜め懸垂のようなロウイング系の種目も合わせて行う必要があります。
要は使い分けということです。
ちなみにウェイトを使ったロウイング系種目の代表といえばバーベルロウなのですが、こちらは腰への負担がきついので腰に不安がある人にはオススメしません。
斜め懸垂は腰への負担が少なく効果的に背中の厚みをつけることができるので、ケガを避けながら筋トレしたい場合にオススメです。
斜め懸垂の詳しいやり方については以下の記事をご覧ください。

【まとめ】背中と上腕二頭筋を鍛えたいなら懸垂一択!
では最後にメリットとデメリットのおさらいです。
メリット ①腰を痛めにくい ②背中の幅を広げる効果が高い ③上腕二頭筋・前腕も鍛えられる
デメリット ①ぶら下がれる環境が必要 ②負荷の調節が難しい ③背中の厚みをつけるのが難しい
デメリットにある「ぶら下がれる環境が必要」。
これが自宅で筋トレする人にとっては一番厳しいと思います。
しかしこれさえ克服できれば他のデメリットは工夫次第でどうにでもなります。
負荷の調節は両足を脚立に乗せたり片腕に挑戦すればいいわけですし、背中の厚みに関しては斜め懸垂を別で行えば解決です。
とりあえず懸垂さえやっておけば背中だけでなく腕の筋肉も合わせて鍛えられるので、環境が整うのであればぜひ挑戦することをオススメします。
腰への負担もほとんどなく、それでいてお手軽かつ効果的に背中の筋肉を鍛えられる種目は懸垂以外にないです。
じっくりと取り組めばきっとその効果に驚くはずです。